当チャンネル「教えて、WealthPark!」では、皆さんのお金と投資に関する素朴な疑問を解決していきます。WelathParkのお客様や社員などからよせられた生の疑問を題材とし、皆さんが真の投資力を身につけ、より良い人生に近くづくことを目指していきます。
研究所所長(以下、ケイ):こんにちわ。今日から「お金や投資の素朴な疑問」について、ひとつずつ、一緒に考えていきたいと思います。
WealthPark社員(以下、社員):はい、それはとっても助かります!私、WealthParkに入社してお金や投資の知識をちゃんと身につけたいと思っているんですけど、身近に相談できる人もいないし、世の中には色々な本やネット記事が溢れてて、何から学んだらいいのやらって感じなんです。
ケイ:良くわかります!私自身、お金や投資については、本当に色々な悩みを抱えてきました。私は投資を本業としていたこともあり、何か一つ疑問が湧いたら、本や論文やインターネットの記事を色々と調べて、識者の人と腹落ちするまで意見交換をする、そのような日々を続けてきました。日本語の解説だけでなくて、英語のコンテンツを調べたり、外国の人と語ることもとても大事なプロセスでした。
社員:え、、何ていうか、疑問を解決していくのは大変そうですね。。。
ケイ:大丈夫(笑)。普通の方が、そんな事をする時間の余裕はないと思うので、WealthPark研究所が様々な疑問を分かりやすく紐解いていきたいと思います。一番大事なのは、皆さんがお金や投資の疑問について「それは、どうしてだろう?」と立ち止まる癖をつけること、つまり素朴な疑問を大事にして、一つずつ腹落ちさせていくことだと思っています。それがお金や投資と、長期に付き合っていく唯一の秘訣です。それらの疑問は、既に世の中で答えが出ているものもあれば、まだ答えが出ていないものもあります。いずれにしても、疑問をひとつずつ消化していくことで、自分が進むべき道が見えてきて、実際の行動に繋がっていきます。
社員:了解です。それでは、気兼ねなく質問させてもらいますね。私、これといった投資は何もしたことがありません。とりあえず何かをはじめてみたいんですが、一体、何から手を付ければよいでしょうか? って、本当に素朴ですいませんが。。。
ケイ:とても、よく分かりますよ。僕も自分が社会人になってお金を稼ぎはじめた時に、まったく同じことを思いました。株、不動産、投資信託、外貨投資、金など、投資を初めるといっても色々ありますから、選択肢が多すぎてさっぱり分からない(笑)。せっかく頑張って稼いだお金を失ってしまうのは怖いでしょうし。この前の社内の勉強会にも参加してもらったと思いますけど、その後のアンケートでも「何から初めて、次に何をするべきなのか、順番を教えて欲しい」という声がとても多かったです。
社員:そうなんです!投資の初めの一歩と、その後の道筋を知りたいんです!それが分かれば、自分のペースで勉強しながら、少しずつ進んでいけると思うんですよね。
ケイ:僕が、この令和の時代において、皆さんにはじめの一歩として勧めするのは「米国ドルやユーロなど、先進国の預金を少し持つことからはじめる」です。どちらか一つだけでも、または先進国の短期国債の投資信託やETFでもいいと思いますが、外国の資産を持つことが良きスタートになる考えています。
社員:え、突然、外国ですか?ちょっと、びっくりです。米ドルはアメリカの通貨、ユーロはヨーロッパの通貨ですよね。海外旅行の時に使ったことはありますけど。。。
ケイ:その通りです。その理由は、投資やお金のリテラシーの最終的なゴールは「世界全体と自分の人生が密接につながっていることの理解」だからでして、はじめの一歩は、その理解を得る経験を積めるものが望ましいと考えるからです。また、値動きするもの、いわゆるリスクがあると言われる資産に触れていくことが大事になります。現代がグローバルな時代であることは、理解されていると思います。そして投資や資産運用のはじめの一歩としては、外国資産の中で一番手堅い「先進国の預金(通貨)」を持つことがおすすめです。
社員:なるほど。確かに、今がグローバルな時代というのは、よく分かります。でも、日本株とかの日本資産じゃなくて、外国からなんですか?自分が住む以外の国の資産を持つって、抵抗があるんですけど、それって普通のことなんですか?
ケイ:はい、世界の多くの人が当たり前にやっています。例えば欧州の地域通貨ユーロを考えてみましょう。ユーロは、約20カ国、3億4000万人が日常的に使っている通貨です。そして、ドイツやフランスやイタリアなどの人々は、普通に給料などで受け取ったお金を銀行預金に置いておくだけで約20カ国に自然と資産分散している状態になっています。新興国においては、ある程度の蓄えがある豊かな人たちは、自国ではなく、経済や政治が安定している先進国の資産に貯金や投資をして、資産形成をしていくのが常識です。
社員:確かに、言われてみれば、そんな感じがしますが、もう少し例を挙げて説明してもらえませんか?
ケイ:もちろんです。例えば、欧州には地域通貨のユーロではなく自国の通貨を使っている、経済規模が小さく、人口が多くない国もあります。私にはスイス人やデンマーク人の友人がいますが、彼らが自国の預金以外に何か投資をはじめようと考えたら、その行き先は、ほぼ疑いなく外国の資産へ向かいます。反対に、自国の資産のことしか考えていない、もしくは考えなくてもいい例外としては、アメリカの人々が挙げられます。アメリカって極めて特殊な国で、自国民は「元」外国人で、多くの移民を受け入れている多様性があり、経済や企業の活動は世界共通のビジネス言語である英語を使ってのグローバルで、一国の経済規模や軍事力も世界一という特徴があります。自国の資産を持つだけで、色々なことが完結してしまう特殊な人達なんです。でも、世界のほとんどの人は、その真似をしてしまってはいけないし、そうはしていない。
社員:日本人の場合はと考えると、、、確かに、アメリカ人の真似はちょっと違う気がしますね。
ケイ:そうですね。日本人も世界の多くの人々と同じスタンスで投資を考えていくのが望ましいと思います。まだ日本の預貯金以外は何も試したことが無くて、投資のはじめの一歩を探している方は、「安定した先進国の預金を持つ」、具体的には「米ドルとユーロを持つ経験を積む」ことが進む道と思います。今は昔と違って、特にネット銀行だと、主要先進国の外貨預金をするための手数料は殆どかからないですよね。もし、自分が口座を持つ銀行でそれができなかったり、手数料が高いならば、ネット銀行に口座を作ってみることも、皆さんのはじめの一歩だと思います。もしくは、先進国の短期国債をまとめて持てる投資信託やETFを買ってもほぼ同じと考えてください。
社員:私はネット銀行を使っていて、給与振り込み口座でもあるので、外貨への預金はすぐできそうです。まだ試したことないですが。。。
ケイ:円と外貨の交換レートである為替は日々動くので「損をするのでは?」と心配になるかもしれませんし、実際にそうなるかもしれない。でも、その過程において、自身が「円という尺度だけで損得を考えている」という気づきを得ることが、今後のために大切になります。投資の世界に入っていく上では、自分の資産を円などの一つの軸だけで考えるのではなく、それ以外の世界の様々な通貨、つまり多軸で資産を捉えることが大切になってきます。「一軸ではブレるが、多軸では安定している」という感覚に慣れていくことが重要です。これには一定期間の経験が必要ですが、その状態が当たり前になってくると、お金や投資の見え方が大きく変わってきますよ。
社員:なるほど。。。加藤さん自身は、実際にどうされてるんですか?
ケイ:多分、びっくりすると思いますが、私の金融資産の9割以上が外国資産です。預金だけでなく、株や投資信託なども多いですけどね。私自身は日本人というユニークな属性を持っていて、他にも不動産などで日本資産を持っていますから、グローバルな視点で突き詰めていくと、今のような状態が正しくなると考えています。そして、この状態は、自分自身のためにも、自分が暮らす日本という国のためにも良いことだ、と腹落ちして行動しています。でも、今のような状態になるまでには何年も悩みましたし、一般の方がそう考えるには色々な知識や経験を積まなくてはならないことも理解しています。なので、先ずは「外国の預金を少しもってみましょう」が、私からの投資のはじめの一歩のアドバイスです。
社員:なるほど。で、私はどれぐらい外国の預金を買えばいいんですか?そもそも、そんなにお金ないですけど(笑)
ケイ:良い疑問ですね。答えは「まずは少しから」です。一気に外国預金に移しすぎないでくださいね。自身の預金の1割とかで良いと思います。そして、世界の先進国の短期国債の投資信託やETFを買うのもほぼ同じことです。その状態をしばらく経験して、自分の思考や心理状態を観察してください。おそらくは、新しい素朴な疑問が湧いてくると思います。その新しい疑問が、先々に、株式、投資信託、不動産など色々な投資を学ぶにあたっての、大変に良い生きた経験になってきます。
社員:了解です。ちょっと意外というか、今まで耳にしたことのない意見な気がします。正直、まだしっかりは分からないので、自分でも色々と調べてみますね。僕が勤めるWealthParkでは約半分の同僚が世界10カ国以上からの外国人ですし、その声を聞いた方がよさそうですね。
ケイ:それは、とても良いと思いますよ。外国から日本に移り住んで働いている人は、既に「多軸」で自分の人生や資産を見ることが当たり前になっていますから。何にせよ、自分で調べて考えて、腹落ちするプロセスを経ないと、行動には繋がらないです。投資の勉強とは、自分の内面(心)と対話したり、何らかの思い込みを取り払っていくプロセスでもあります。思い立ったこの時が、前に進むチャンスです。今日の私の意見を「思考の壁打ち」に使ってみてくださいね。では、今日はこの辺で。これからも、お金や投資の素朴な疑問を一緒に考えていきましょう!
WealthPark研究所 所長 加藤航介(かとう こうすけ)‐ プレジデント/インベストメント・エバンジェリスト:「すべての人に投資の新しい扉をひらく」ための調査・研究・情報発信を行っている。プロフィールはこちら。